OMM JAPAN 2014 ストレート総合優勝した柳下のルート解説

1日目ルート図

2日目ルート図

2日目フィニッシュの映像

大会ウェブサイト

OMM JAPAN RACE 2014



2日目トップスタートの柳下&市岡 11/30 朝6時30分スタート
2日目トップスタートの柳下&市岡 11/30 朝6時30分スタート

■レース回顧

ルート解説をしながらレースを振り返ってみたいと思います。初日がラストスタート、2日目がトップスタートで異なる状況のレースでした。初日は2秒差の大接戦で、2日目トップスタートで逃げ切れたことは自信につながりそうです。

 

OMM DAY1

S-1

導入だが手前にも散策道があり、迷い込んでいるチームも散見されるので少し慎重に動く。選択CPはあまり悩まずABCDと早々に決まる。

 

1-A

Aは右への廃道分岐を見て、「ここから行きますよ」と斜面に取り付くと市岡さんは驚いているようだった。(たしかにロゲでは4回組んでいるが、オフトレイルのナビはあまりなかったかもしれない...)

 

A-B-C-D-6

A-Bは市岡さんにプランを伝えてから動く。Bの前後は多くのチームとすれ違う。CとDはどちらが先でも距離は変わらないが、林道をショートカットは登りが安全と判断し(下って林道脇が切り立っている可能性を考慮して)CDの順番にした。

 

6-7

非常に長い区間。OMMではこういったロンゲレッグでルート選択をさせるのが特徴とのこと。

 

6からは2本の林道の選択肢があるが、比べてみると、

・東ルートは180m一旦下るが、西ルートはほとんど下らない。西>東

・東ルートは実線~二重線、西ルートは実線~破線。東>西

高低差を重視して我々は西ルートを選んだが、足元が悪い部分も若干あったため、タイムの差はあまりなかった。また、距離を測ると400mほど長い。

 

ルート合流後、林道中腹の有人ポイントからも東西の2ルートが選べる。距離が長いが西ルートのほうが明瞭そうと判断しが、林道終点からは不明瞭なトレイルで、結果的に時間かかった。この区間は鹿島田・山田ペアに7分の大差をつけられてしまった。

1日目コントロール8付近の標高図
1日目コントロール8付近の標高図

7-8

下る道が不明瞭で、沢沿いもガレていてペースも落ち、うまく切り抜けたチームがあれば結構差がつくなと焦りを感じる。林道が近づくと道形がはっきりしてきて一安心だった。林道で追いついたチームがロゲイニング強豪の遠足チームだったので、意外と悪くないのではと少し安心する。8は地形のイメージが合わなかったが道の表記に助けられた。標高図で重ねてみても、等高線で地形が表現しきれていない感じる。この区間も鹿島田・山田ペアに4分遅れをとっている。

 

8-9

9は左手に小径への分岐がある小尾根を越えてから、コンパスで直進する。

 

9-11

10は立入禁止になりスキップ。別荘地内は地図にでていない分岐もあり、難解。11は道沿いでイージーだがライバルのオーバーランがあったようで、結果的にそこでリードを奪った。

 

11-12

400m以上登り返す。終盤のタフなレッグ。ここは体力勝負で、送電線に沿って登るだけと考えていたが、下部は巡視道が比較的しっかりしているものの、中腹からは明瞭となり枝道も多くやや難しかった。谷沿いよりも尾根のほうが登りやすいが、ここでは西側の尾根を頼ると499ピークのほうへ流されてしまうので注意が必要。東側に車道があるので、送電線のある沢沿いの踏み跡を拾いながら、東への踏み跡を利用しどこかで車道へ出るのが安全策だろう。早めに車道に出るのと、上のほうまで踏み跡で引っ張るのはタイム差はあまりなかったようだ。

 

12-13

山頂から南へ斜面を切る最短ルートを狙うという考えもあるが、尾根道を走って下るのが無難だろう。ここまで来ると疲労度合いによりかなりのタイム差がついている。

 

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2秒差でトップでしたが、ペースでは負けており、2日目は同じレースをしては勝てないなと思いました。市岡さんとは走れるところはペースを上げましょうと話をしました。2日目は6時半スタートでしたが、撤収に少々時間がかかりギリギリになってしまったので、次回に向けて反省点です。

 

 

2日目フィニッシュした柳下と市岡
2日目フィニッシュした柳下と市岡

OMM DAY2

S-1

浅間山へ登る道を見逃しテントサイト脇をオーバーラン。昨日からフィニッシュエリア、体育館、テントサイト位置関係の把握がどうも苦手だった。何度も方向が変化するせいだろうか。これがこのミスの伏線になっている。ロス2分ほどで、池・寺垣内チームに2分差をつけられている。

 

1-B-A-C

選択CPはABCとした。しかしCDEもあるのではないかと感じたため、ABCの優位性を上げ

るためAからは尾根下りを選択した。順番はB-A-C。Aから降りる尾根を特定するのに2

分ほどかかっているが、うまくこなした。ここは許田・樺沢チームが3分速い。

 

C-5

C-5は尾根を登ろ尾根上は現在位置が特定しずらいが、手前の536ピークから一旦下るため現在地が確定でき、あとは傾斜の変化や道のカーブから現在位置を把握し沢へとアタックする。この区間は市岡さんが元気で、押してもらいつついいペースで登れたと思う。

1日目コントロール10-11付近と2日目5-7付近の標高図
1日目コントロール10-11付近と2日目5-7付近の標高図

5-7

斜めに下り気味に進み、沢を横切る。急斜面であることを警戒したが、それほど厳しくはなかった。別荘地の下を回り込むつつ道に乗る。あとは昨日と同じ流れで谷沿いの林道へ出る。7は道から見えた。なお、標高図を重ねてみると昨日の10-11で通過する斜面よりも滑らかなのがよくわかる。ここは他の上位チームが車道での迂回を選んだためかなりの大差がついた。

 

7-8

OMM2日間での一番の難易度だったと思われる。我々も慎重にこなした。道から距離があるうえに急斜面をはさむので単にコンパス直進は難しいだろうと、地形のつながりを意識し、まず急斜面直下までは沢を詰めてCPに近づこうとプランした。急斜面帯の沢沿いは滝になっているため、左手の尾根にとりついた。尾根のさらに左側には同様な谷があり、このラインを越えないように方向を修正していくと目標の沢が見え、少し奥へ詰めるとフラッグが見えた。

 

8-9

どこかで急斜面を登らないといけない。地図読みはもちろん、体力と急斜面でのラインの取り方を問われ、総合力が試される区間だった。地図に出ていない大きな車道で山頂を巻いてしまったが、市岡さんが気づいてくれて大きなロスはなかった。


2日目コントロール10-11付近の航空写真
2日目コントロール10-11付近の航空写真

9-10

下りで地図に出ていない山腹道に入ってしまい2分ほどロス。こういうのはひっかりやすいので要注意。航空写真で重ねてみてもまさに間違って下さいと言わんばかりに紛らわしい。

 

10-11

最初に地図を見たときここも難しいなあと感じたが、道の終点にあるため実際の難易度はあまり高くない。自信がなければ道で大迂回でもいいだろう。直進でいく場合、道がストッパーになるので、やや西よりに直進し道にでてしまうほうが安全である。斜面に負けて東に流されるとロスが大きくなる。

 

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2日目は2分程度のミスが3回あったものの、初日より難易度を高かったこと考えるとよくまとめたレースでした。大差が付いたのは色々な条件が重なってだったと思います。

 

※色別標高図、航空写真は地理院地図をキャプチャしています。