コースプランナー柳下より

コースを設定した柳下より各コースの解説です。*地図画像の転載は禁止します。

Aクラス

テレインの特性を生かした課題設定を盛り込んだコース設定としました。

前半は緩斜面での直進主体で、後半はルートチョイス主体です。テレイン形状の制約でつなぎの区間が長いため、走力も問われるコースでした。

プランナーの試走ルート(青)と、稲毛選手のルート(赤)を記載しています。いずれか早い方が区間最速です。


ラップ解析を見ると7-8でタイム差が大きかったのでピックアップして解説します。

この区間は中盤の池のところでルートが収束します。直進ラインの右側は前半は小道があり、後半は沢がありストッパーとなるため、先に進めばストッパーにぶつかる、ナビゲーションの「安全エリア」となります。

 

つまり自身が安全エリア内を進んでいるという認識があれば、走行スピードを上げることができます。一方でエリアの認識がなかったり、ストッパーの乏しいライン(この区間の場合直進ライン左側を選ぶと)、不安から走行ペースが落ちたり、現在地を失ったりする危険性が増します。

 

今回のコースでひとつひとつは言及しませんが、走行スピードを上げることができる「安全エリア」は各区間に存在しています。

 

直進や地形読みの基本技術が身に付いたのであれば、さらにその読み取りができるようになるとミスを減らしながら巡航速度を向上させることもできるでしょう。


Bクラス

地図には一例としてプランナーの想定ルートを記載しています。

Aコースとの共通CPも用いつつ、間に道沿いCPを挟んでオフトレイル区間が長くなり過ぎない設定としました。

コースは「少し難しいかもしれない」という意見もあったのですが、全般的に帰還が早かった印象でした。

 

5-6はAコースの9-10の逆で、ここは難易度が高いというラップの解析がされていました。しかしAコースの8-9-10ではむしろ易しい区間と解析されています。

 

したがってAコースはさらに難易度が高い区間が増えるので、もしこの5-6で苦労したのであれば、上級クラスにチャレンジするためには地形の読み取り(このCPは尾根上のやや東側にあるということ読み取れているか)や、整置などの基礎をしっかり身につけていく必要があると感じます。


Nクラス・レクチャー&チャレンジクラス

道沿いのCP中心ですが、正しく道を辿ることがナビゲーションの第一歩です。

 

5-6途中の分岐で間違って北方面ずっと先まで行ってしまったという話を聞きました。じつは道の分岐での誤りはトップ選手でもあることです。大きなミスにならないのは、すぐに気がつくからです。

 

どうすればすぐ気付けるでしょうか?

効果的なのは分岐の先でもう一度整置をすることです。習慣付けて自然とできるようになりましょう。


フィニッシュについて

 

フィニッシュは地図上のスタートと重ならず散歩の方とも交錯しない位置に設定したのですが、これが裏目に出てしまい、寄らずに会場に来てしまう事例が多数ありました。目前に会場があるとそこに戻ればいいと思うやすいので、もう少し説明・誘導の配慮をすべきでした。

またその前段階として、オリエンテーリング競技ではゴールゲート等ではなく、フィニッシュもパンチするとことで計時がされるということを周知したいと感じました。