リーダー村越の里山アドベンチャーその2

CP13へは、いくつかのショートカットの徒歩道の発見がポイントだ。先頭にたったことで、気持ちよく走れる。ただ、やや疲れてきて集中力の欠けていた時間帯でもあった。水流でできた道もどきに引きずられて、道をはずしたところを、後ろの宮林さんに声をかけられて復帰した。

 案の定、ショートカットの徒歩道の入り口はいずれも全く分からなかった。最初のショートカット部分は森がきれいだったので、直進するつもりで下る。東方の沢にひきこまれる地図にない沢に気づいて、その沢を巻いたところで、道の片鱗を見つけ、廃道をたどって発電所へ。

 林道のヘアピンから下の道にショートカットしたが、その下の徒歩道の入り口がやはり見つからない。躊躇している時に、後ろからターザンがやってきた「どこかのチームみたいに、道でミスるなよ!」キャプテンの杉山さんが軽口をたたく。彼らは迷わず林道に進むが、僕らはまたしても、廃道になった道を探して林を下る。森がきれいだと直進したくなるのはオリエンティアの習性なのだろう。今回も廃道になった道をみつけたおかげで、ターザンよりも2分程度早くCP13に到着。

 田島のレポートにもあったように、この時点で僕は全くレースの流れを理解していなかった。CP13からカヌーに乗ると思っていたのだ。まるまる1時間だから、きっとこのくらい(4kmくらい)は漕ぐんだろうな、と思っていた。CP13につくと、自転車が山積みにされているのを見て、ようやく14まではつなぎのMTBがあることに気づいた。

 CP14まではトンネル前に軽い登りがあったが、あとはびゅんびゅんとばして到着。ここで阿闍梨は補給食をとるなど時間をかけている間にターザンがやってきて、あっという間にカヌーセクションに入っていった。ここは時間をかけて休憩しようという意図はあったものの、こういうトランジットでのもたつきは阿闍梨の大きな課題である。

カヌーセクション

 3人のもっとも不得意な種目で、一度も一緒に練習することなく迎えてしまった。後半はそんなに悪くなかったが、前半は左右にふらふらし、ターザンとの差はどんどん開く。舵取りができるのが村越しかいなかったので、一番後ろに乗って舵をとったのだが、体力的な差からか、どうしても田島と宮林のバランスが取れない。ターザンには10分以上の差をつけられたようだ。

MTBセクション

 難しいところはないが、山中の徒歩道の状況が分からないので、暗くなったらいやだなという思いはあった。そうなる前に少なくとも前半くらいは終われそうだ。ターザンはこのトランジットで初めて大休憩をとったらしく、MTBに入った時の差は3分くらいだ。CP19が地図より3,4mm上のほうにあるのをターザンは見つけきれず、下の道に降りてきているところをとらえた。炊事小屋とあるが、○の位置からすれば地図の建物の脇にある可能性も捨てきれない。宮林と村越で両方に分かれて探しているうちに、宮林がだいぶ上にあったことを発見。ここではターザンと一緒。

 僕らが少し先行しながらスキー場をまっすぐにあがっていく時、ターザンは車道に迂回したようだ。ここでは直進の方が3分くらい早かった。そのまま阿闍梨はリフトの西の滑走斜面を直登する。ターザンは東の滑走斜面まで徒歩道をひっぱってから登ったようだ。どちらも、最後は一歩一歩息をつきながら登るような斜面で、僕も宮林

さんも、何度も自分の自転車を置いて、遅れる利佳ちゃんの自転車をかつぎ、チーム全体での最大パフォーマンスを目指した。この斜面を見つけ、登るのだって、闇の中であればさらに大変になっているだろう。「富めるものは益々富み、貧するものは益々貧する」

 地図ではどうみても有利に見える西斜面だったが、結果としては東斜面のほうがよかったらしい。山頂のリフト小屋に近づいた時、ターザンのポーリンがCPに到着しているのが見えた。彼女はとって帰すと杉山さんの自転車をかついできている。チーム全体としてほぼ同時にCP到着。

 

CP21の徒歩道分岐さえとらえれば、ナヴィゲーション課題はほぼ終わる。暗くなってきたので、ライトをつけるが、固定のゴムバンドがやや緩くてライトを落とす。そうやって僕がもたもたしているうちにターザンに先行を許してしまった。その後CP21後で再び先行するも、今度は宮林が牽引ゴムを落として、再びターザンが先行。

ギアの管理も阿闍梨の課題の一つだろう。普段ギアの重要性の低いオリエンテーリングをしていると、このあたりの意識が低くなってしまう。

 CP22からシングルトラック+荒れた林道を通って、集落にでる。ターザンが止まって進路を確認しているのに追いつく。一緒に進むが、ふたたびCP23への入り口で躊躇している。ターザンは1:25,000のこういう表現が苦手なようだ。CP23のすぐ上の車道の終わりでターザンは一瞬躊躇。こちらは、次の動きが分かっていただけに、先行すればよかったのだ。結果的にここでの甘さが勝負を決することになるが、この時点では勝負は明日のランだと考えていた。緊迫したレースを展開したターザンと互いの健闘を讃え合う。

 

これでターザンと1,2となったので、不得意な明日のラフトまではコンボイとなる。


リーダー村越の里山アドベンチャーその3(最終)

http://rika.cocolog-nifty.com/ajari/2006/10/3_6770.html

 

リーダー村越の里山アドベンチャーその1

http://rika.cocolog-nifty.com/ajari/2006/10/1_1b68.html