山羊のロゲ道場-第3回 『レース序盤ー中盤』

第3回 『レース序盤~中盤編』

 

■ロゲイン特有のスタート

ロゲインのスタートは独特の雰囲気と緊張感があります。なぜなら、全チーム一斉スタートであるうえに360度どの方向にも向かうことができるからです。各チームともスタート前に作戦を練りに練っているわけですが、スタートからの方向というのはその作戦上かなりのウェイトを占めます。果たして自分たちと同じ方向に向かうチームはいるのか?ライバルチームの出方は?等々、スタートの緊張感はロゲイン独特のものだと思います。極端な話、最初に向かう方向で勝負が決まってしまうこともないとは言えないかもしれません。

■事前のプランを実行していく

スタートしたら、長丁場ですのであせることはありません。淡々と事前のプランを実行していきます。チーム競技である以上、チーム全体として無理のないペースで走ることが大事になってくるので、序盤の段階でベストと思われるペースをチーム内で確認し合っていきましょう。また、単に走るだけなく地図の精度、植生状況等の確認もしながら進むとよいでしょう。

 

■ライバルチームをうまく使う

序盤はライバルチームと同じ回り方になることも考えられます。しかし無理に振り切る必要なありません。1/25000地形図の場合、地図の精度の問題で、コントロール近くまでいっても見つからない場合があったりします。その場合複数チームで行動するほうが見つけやすいからです。特に夜間である場合、他のチームと着かず離れずというような戦略も重要かもしれません。-①

 

■予定時間との差分を確認する

ある程度の時間ごと、例えば1時間単位にどの程度進めたのか、進行具合を確認をしていきます。そうすると2時間でどれぐらい、3時間でどれぐらいということが、おおよそ見当がつくかと思います。ここで事前の計画とすりあわせ、予定より早いのか遅いのか確認をしていきます。このあたりは、チーム内にナビゲーション担当とは別に時間管理担当を設けるのもよいでしょう。-②

 

■ルートの調整

想定より遅れている場合、回り方の再検討も必要になります。また逆に想定より早い場合、あるいは途中でよりよい回り方を思いついた場合にも回り方を変更することになるでしょう。これらの場合、ルートに無駄が出ない形で調整する必要があります。ここでは、CPを1個減らす、あるいは追加することでタイムがどれぐらい変化するのか考察してみたいと思います。

図1-3をご覧になってください。緑線のほうが1つ追加した場合、青線のほうが1つカットした場合です。図1の場合、追加の場合4+4=8で、8-6=2となり、カットした場合と2分しか違いません。これはどういうことかというと、このCPを取るのには2分しか余計に時間を費やさないということです。カットせずに積極的に取りにいくべきでしょう。図2は6+6=12で12-6=6分となります。これはまあ標準的なケースですね。点数次第といったところでしょうか。一方、図3は出戻りしないといけないケースです。4分で行けるので図2のケースより一見楽そうですが、完全出戻りだとそのまま時間が加算されるだけなので4+4で8分プラスということになります。なので、よほどのことがない限り、出戻りは避けるべきということになります。-③

①今度の菅平は夜間スタートになります。果たしてどうなるのか??(ただし、故意に他のチームについていくのは、競技規則上反則です)

 

②時間を意識することは制限時間のあるロゲインでは重要です。順調なのか、遅れているのか、時間管理担当はチーム内の他の選手に早い段階できちんと伝える必要があります。安斎・柳下チームの場合、2人ともどちらもできるし、さらに同時にこなすことができ、このやりとりは非常にスムーズです。

 

③取りにいって損するのか得するのかは自分たちのチームが合計で何点取れるかによって変わってきます。例えば、6時間の制限時間で1800点取れるチームだと1時間で300点、6分で30点となります。なので図2のケースだと、点数が30点より大きければ積極的に取りに行くべきということになります。もっとも大きな流れて考えるともっと複雑なのですが、、


レース中盤~終盤編です。お楽しみに!